2011年5月6日金曜日

フランスとアフリカの距離

マラケシュのフナ広場
フランスとアフリカの距離は、文字通り近い。良くも、悪くも。

今年に入って、北アフリカの政府が相次いで崩壊したけれど、数日前、北アフリカの移民約60人がフランスにたどり着いたことが報道された。大部分はチュニジア人で、テレビでは田舎から出てきたような比較的、純朴そう(?)な青年達がパリ郊外の公園にたむろしているのが映し出された。手ぶらで文字通り、着の身、着のまま逃げてきた感じ。早速、マグレブ系支援団体が食料の配給を始めていた。そうでないと、集団強盗でもされたら大変だ。フランス政府はさっそく、強制送還の準備に入った。そういえば同じころに香港出身の友人がメトロでアフリカ系の若者集団20人にからまれて金品を奪われたと聞いたけど、関係あるのかないのか。予想していたこととはいえ、テレビで異様な光景を見てちょっとビックリ。

モロッコのマラケシュでは4月28日、アル・カイダ系とみられる爆破事件があった。外国人の中でもフランス人が多数、死亡した。自分も2年前のバカンスでマラケシュに行って、よく見覚えのあるカフェでの出来事なので、ビックリ。そんなに大きくない街の、世界遺産に指定されているフナ広場に面する小綺麗なカフェ。地元の雑踏や独特な料理にいやけがさした観光客が行く。でも記憶が正しければ、私たちは横目に通り過ぎただけで、なぜか入らなかった。

話が戻って、そもそもフランスがリビア政府を崩壊させる役を買って出たのにも、少し面喰った。保守的なフランス人の友人に意見を聞いてみたところ、リビアの政府は独裁的でひどく、国民が苦しんでいるので助けるのは当然だ、とのこと。イスラム諸国は宗教的考え方が異なるし、アメリカのイラク戦争での苦戦もあるのに、市民レベルでそう思ってるのか、なるほど。でも、日本も韓国も、北朝鮮の政府を崩壊させるため、そう簡単に攻撃したりはしないだろう。これはフランスが戦勝国ゆえの考え方なのか、あるいは元々ベースとする考え方の違いなのか・・。

セネガルで開発援助をしている日本人の友人は、先日、家にいながら、押し込み強盗に入られたそうだ。立地が海辺だったこともあり、近隣諸国からの移民が流れて来るのをこんな形で感じざるをえないらしい。とはいえ同じアフリカ内なので、やむを得ない流れだろう。

フランス、いやヨーロッパはアフリカを、兄弟だと思っている。ヨーロッパが兄で、アフリカが弟。奴隷制度などで侵略した過去があるから、旧植民地国については面倒をみる義務がある、と本気で思っている。今や母語も一緒だったり、実際、関わりは深い。

もともとフランスとアフリカの関係に興味があってフランス語を始めたこともあるけれど、なるほどこんな近さなのか、と今、肌で実感している。「対岸の火事の火の粉が飛んでくる距離」というべきかな。これもヨーロッパの多様性の一つ。個人の生活には今のところなんら変化はないけれど、これからどうなるのか、しっかり注目していきたい。