村上春樹の作品を思わせる、時という概念から切り離された、透きとおった世界。パステルカラーの家に挟まれた入り組んだ路地をなんとはなしに歩くと、窓の隙き間から古びたラジオの時代遅れのポップスが流れてくる。渇いた鐘の音がしてふと空を見あげると、澄みきった青空にやわらかな雲が漂っている。ジェット飛行機が追いかけるが、雲は構わずのんびりと漂いつづける。そんな町の高台にのぞむ大きな家に、マダムと少年2人とダルメシアン1匹と・・・。
まるでずっとそうであったかのように、家族の一員として気さくに迎えてくださいました。お庭でバーベキューをしたり、パイを持って湖のほとりでピクニックをしたり、ラベンダーを摘んだり、ご近所さんの自作のお家を見て感心したり、心温まる恋愛映画を観に行ったり、お味噌汁の作り方を少年に教え、少年からキッシュの作り方を教わったり、インド料理店に町のニ家族で集まったり、小さな音楽祭のやっている広場でお茶したり、庭のテラスから町を見下ろしながら、ぼっーとしたり・・・・。
大きな街を観光してまわるというよりは、のんびり町の人との出会いやゆるやかな時間を楽しみ、物語の1ページのようなゆたかな日々を南仏の家庭で過ごしました。ちょっと予想だにしない展開だったのと、忘れたくないけど忘れっぽい性質なので、記録的にまとめてみました。会社からは企画中の仕事のオッファーをいただき、どれもこれも、南仏の恵み盛りだくさんでした。
これを当たり前に言ってしまえば、“南仏の人は大らか”という表現におちつくのでしょうか。でもそんな一般論とは関係なく、ただ嬉しかったのは、素敵なフランスの家族ができたこと。「またいつでも帰っておいで」という言葉と花柄のワンピース、たくさんのハートをお土産にいただき、パリへの帰途につきました。
(平たいスープ皿でお味噌汁を飲むパトリシア一家とご親戚^_^)
(Ste.Croix湖と友人アンドレとトマトパイ)
(ご近所さんが九年間かけて建てたお家)














