2010年6月29日火曜日

南仏研修レポートⅣ  ~マダムと少年2人とダルメシアン1匹と~

村上春樹の作品を思わせる、時という概念から切り離された、透きとおった世界。パステルカラーの家に挟まれた入り組んだ路地をなんとはなしに歩くと、窓の隙き間から古びたラジオの時代遅れのポップスが流れてくる。渇いた鐘の音がしてふと空を見あげると、澄みきった青空にやわらかな雲が漂っている。ジェット飛行機が追いかけるが、雲は構わずのんびりと漂いつづける。そんな町の高台にのぞむ大きな家に、マダムと少年2人とダルメシアン1匹と・・・。

まるでずっとそうであったかのように、家族の一員として気さくに迎えてくださいました。お庭でバーベキューをしたり、パイを持って湖のほとりでピクニックをしたり、ラベンダーを摘んだり、ご近所さんの自作のお家を見て感心したり、心温まる恋愛映画を観に行ったり、お味噌汁の作り方を少年に教え、少年からキッシュの作り方を教わったり、インド料理店に町のニ家族で集まったり、小さな音楽祭のやっている広場でお茶したり、庭のテラスから町を見下ろしながら、ぼっーとしたり・・・・。

大きな街を観光してまわるというよりは、のんびり町の人との出会いやゆるやかな時間を楽しみ、物語の1ページのようなゆたかな日々を南仏の家庭で過ごしました。ちょっと予想だにしない展開だったのと、忘れたくないけど忘れっぽい性質なので、記録的にまとめてみました。会社からは企画中の仕事のオッファーをいただき、どれもこれも、南仏の恵み盛りだくさんでした。

これを当たり前に言ってしまえば、“南仏の人は大らか”という表現におちつくのでしょうか。でもそんな一般論とは関係なく、ただ嬉しかったのは、素敵なフランスの家族ができたこと。「またいつでも帰っておいで」という言葉と花柄のワンピース、たくさんのハートをお土産にいただき、パリへの帰途につきました。
(平たいスープ皿でお味噌汁を飲むパトリシア一家とご親戚^_^)
(Ste.Croix湖と友人アンドレとトマトパイ)
(ご近所さんが九年間かけて建てたお家)

南仏研修レポートⅢ ~ある陶芸家との出会い~

研修では、思いがけない出会いがありました。研修先の同じ部署のオフィスで働いているフランス人マダム・パトリシアは、日曜大工、ならぬ日曜陶芸家です。平日はオフィスで働きつつ、いつか独立することを夢見ています。楽焼きをしているので、日本人である私にぜひ自分の作品とアトリエを見せたいというので、研修最終日の金曜日の午後を早く切り上げ、ローズと二人、陶芸見学に行ってきました。一連の作業を見せていただき、墨の香りがするお茶を味わい、楽焼きでできたペンダントをお土産にもらいました。

話すうちに、パトリシアは離婚をして子供2人を育てている50歳の人懐っこい女性であることが分かりました。まるで私と同年代かのように年齢を感じさせず、フランス語の先生になるため大学に応募したり、かなわぬ恋の話をしたり、将来の海外移住の夢について語ったり・・・茶目っけたっぷりです。

実は研修が終わってから4日間、一人旅をするつもりでしたが、このパトリシアがお家に招いてくださり、なんとホームステイさせていただくことになりました。これだから、旅は面白い。
(窯から作品を取りだすパトリシア)
(生徒たちに講義)
(アトリエ)

南仏研修レポートⅡ ~企業の内側~

(地元マノスクManosqueの教会のコンサート)

研修初日、朝7時半―。初日は担当のロリーヌが車で迎えに来てくれました。入口のものものしい警備をくぐりぬけ、名札をもらい、フランス語担当の部署で全員にあいさつ。一人一部屋を持っているので、挨拶もけっこう面倒。しかし個人主義の国、この辺は手を抜けません。会社は1つの村のようになっており、敷地内はバスか車で移動します。お昼は皆でカフェテリアへ移動。おいしいフランス料理をビュッフェ形式で1ユーロほどで食べられるので大満足! 体格に合わず、気持ちのいい食いっぷりに、フランス人に驚かれていました^^;

さて肝心の授業ですが、1週間のプログラムを見て、好きな授業に出席します。空き時間はパソコンを使ったり、先生や生徒と話したり、各国の働き方の特徴を学ぶランチミーティングに出たりしました(今回は中国でした)。

会社に組み込まれているフランス語授業なので、生徒はみな英語で仕事をする研究者または技術者。フランス語ができなくても生活に困らないので、フランス語は趣味でやっている人が大半。そのため、先生は生徒のモチベーションを高め、面白い授業をするのに力を入れています。国によって生徒が求めるものや授業の雰囲気も異なり、色々な先生やクラスを見てきました。ちなみに日本人の方々も、しっかり頑張っておられました。

研修先では撮影が禁止されていたため、お見せできませんが、国際機関とはいえ、やはりオフィスはフランス人率が高く、いわゆるフランスの会社の内部を体験した感じです。仕事における人間関係の比重が、日本よりも濃いな~、という印象を受けました。上司・部下でも名前で呼び合うなど、上下関係があまりない分、個々人のコミュニケーションが重要です。また南仏特有なのか、働いている人たちがとても明るく、爽やかなのが印象的でした。

朝は8時すぎにオフィスに着き、夕方4時に仕事を終えるので、アフター4は地元の小さな町を観光したり、スーパーで買い物をして料理をしたり、TVでサッカー観戦しながら、南仏の夕べを楽しみました。最終日には、日本人の方においしいフランス料理をごちそうになりました。う~ん、最初から最後まで、おいしい研修でした!
(町の旧市街で見かけたパレード)
(市場のトマト)

2010年6月21日月曜日

南仏研修レポートⅠ ~ガーナ人と南仏へ~

5月にあった後期試験が終わり、6月13~22日まで10日間、大学院の単位取得の一環で、南仏へ研修に行ってきました。南仏の恵みたっぷりだったので、数回に分けてお伝えします。

そもそもこの研修の目的は、フランス語の授業に出席して、可能なら教え、レポートを提出すること。インターン先は以前にも書いた、なんと核融合の実験施設です。といっても平和利用が目的で、日本やインド、EU、アメリカなどが取り組んでいる国際機関でもあります。教授の紹介で気軽に申し込んだら、話がトントンと進んでしまって焦りましたが、幸いまだ建設中で実験は始まっていない模様。旅行気分で旅立ちました♪

まずはパリからエックス・アン・プロバンスへTGVで約3時間。クラスメートのガーナ人ローズと待ち合わせ、時間があったのでマルセイユに移動して海辺でランチ。海辺を散歩してから、丘の上の教会に上ってマルセイユを一望してきました。

このローズとは1週間、2人一組で研修し、同じアパートホテルに滞在します。同じクラスにいながら、実はこの研修で初めて知り合いました。でもこのローズ、幸い気も合って、大当たり! ローズは英語が母語なためか、「天使にラブソングを」に出てくるゴスペル歌手のような包容力と、なんでも明るく笑いとばしてしまうユーモアがあります。おまけにしっかりしていて、皆に好かれるキャラクターです。研修中、彼女の人柄とコミュニケーション力、ヨーロッパ人的動き方に大いに学ばされました。