2011年9月20日火曜日

帰国の決断

「天秤にかける」なんて言葉があるけれど、正しい判断って、いったい、何だろう。

正しい判断をしたと思っても、後から考えると、その場しのぎの安易な判断にすぎなかったり、
誤った判断をしたと思っても、後から考えると、その判断が自らの人生に非常に有益だったり、成長する上で欠かせないスパイスとなっていたりする。はたまた都度、正しい判断をしたと思っていても、後から考えると、自分が身を置いていた環境そのものが、間違った判断だったと思えてくることもある。

本当に正しい判断とは、概して即効性がなく、長い年月をかけてその効果が表れてくるものだと私は考えている。

そんな中で、本当に正しい判断がしたくて下した、今回の完全帰国の決断。
フランスに留まる要因は、あまた、あった。進むべき道は、完全にフランスで開かれていた。
しかし、これらの環境になおも身を置くことに、ふと異和感が芽生えだして、立ち止まった。決断のタイムリミットが迫っているので、夏休みに日本へ戻り、静まるときをもった。流れていく周りの状況から身を切り離し、落ちついて考えるため。

そして、明確な一つのビジョンが日本の地で与えられた。だから、フランスへ来たときと同様、そう。何も決まっていないけど、ビジョンだけを持って、日本へ帰ろう。この決断の先には、さらなる祝福が待っている、と期待して―。

2011年9月18日日曜日

♪♪青い妖精、シュトロンフ(スマーフ)♪♪ 映画化される


ベルギー発のLes Schtroumpfhs「シュトロンフ」というアニメがある。Peyo(本名:ピエール・クリフォール)という漫画家によって1958年に描かれて以来、ヨーロッパやアメリカで人気を博し、日本や中国でもテレビ放映されていたそうな。この夏、アメリカで3Dとして映画化され、フランスでも公開された。英語圏ではThe Smurfs、日本でも「スマーフ」として、なんと、9月9日から全国公開されているとのこと!

シュトロンフとは、森に住む青い小人たち。きのこを住みかとする100人のシュトロンフは、それぞれが一つの特徴を持っている。不器用シュトロンフ、怠け者シュトロンフ、学者シュトロンフ、「嫌い」が口癖のシュトロンフ、食いしん坊シュトロンフ、大工シュトロンフ、女の子シュトロンフ、長老シュトロンフなどなど・・・。彼らの口癖は「シュトロンフ」で、名詞としても動詞としても使われたりする。「ぼくが手伝シュトロンフよ」という具合に。それぞれの不完全なキャラクターが協力し合って、ガーガメルという敵にも負けず、一つの村を陽気に守っている様子は愛らしく、心温まる。

実は幼い頃、このマンガをテレビで見ていて、大好きだった。幼稚園の友だちがシュトロンフの人形1つくれたのをきっかけに、家に一式、買い揃えられ、今も自分の部屋に飾られている。そんな思い出のあるシュトロンフ、記憶もかなり薄れていたけれど、実は今回の映画化をきっかけに、YouTubeでアニメ版を再び見るようになった。そして気付いたこと-。今見ても、面白く、可愛らしい!!! パステル系を中心とした柔らかな色づかい、心温まるストーリー。それに、フランス語を勉強したことで今またこうして原語で聞けるようになったのは何より嬉しい。こんな素敵なアニメ、バーバパパやムーミンのように、日本でもはやりそうだけどな~。

映画の方はというと、これまた、とっても良かったです!! あらすじを簡単に書いておくと、シュトロンフたちはひょんなことからニューヨークの街に紛れ込んでしまい、若い夫婦の家に居候する。宿敵ガーガメルから逃れつつ、青い月に帰るため四苦八苦する・・・。今回の主役となるのは、いつも何をやってもダメだけど、みんなに愛されている「不器用」シュトロンフ。

人間でいうなら、「怠け者」だったり、「嫌な気分」になったりという一人の人格が多かれ少なかれ持っているさまざまな要素を、シュトロンフは一人につき、一つの要素しか持っていない。だからこそ、互いに協力して補い合うことを知っているし、相手の弱さを弱さと思わず、受け止められる。そして、明るく困難を乗り越えていく。そんな姿に教えられるものがあるし、可愛い姿にも心底、癒されます☆ NYの街でリストラと向き合いながら、一生懸命、支え合う人間夫婦の姿にも胸打たれるものがありました。純粋にコメディとして見ても面白いし、大人でも十分、楽しめるのではないかな。とても気に入ったので、もう一度、観に行ってきま~す!

映画予告(日本語版)はこちらをクリック。
映画予告(英語版)はこちらをクリック。
シュトロンフのTV放映アニメ(フランス語)はこちらをクリック。

2011年8月2日火曜日

夏にお勧め、裏ドリンクメニュー

涼しさと暑さを繰り返しながら、パリもようやく少しずつ暑くなってきました。といっても、蒸し暑い日本で育った私は、フランスの30度なんてへっちゃら。湿気がなくて、むしろ物足りないぐらい。育った環境って、大切だ。

さて今日は、暑い日に涼しくなれる、フランスのカフェのドリンク裏メニューをご紹介します。実は、どこのカフェに行ってもメニューには載っていないけれど、色とりどりのシロップを置いていて、指定するとカクテルのように出してくれます。そのためには、ドリンクの名前を知っておかなくちゃ。もちろんお家でも作れます。

シロップには、主に2種類あります。
ザクロなどの赤い実のフルーツ数種をまぜた「赤い」シロップとミントの「緑」のシロップ。覚えるべきドリンク名はこちら。


●Menthe à l'eau(マンタロ):ミント水
●Diabolo menthe(ディアボロモントゥ):ミントソーダ。(レモネード+ミントシロップ)
●Diabolo grenadine(ディアボログルナディン):赤い実のソーダ(レモネード+赤いシロップ)
●Bébé rose (べべローズ):赤い実のシロップ+ミルク。苺ミルクの味に近いので子供向け。
●Indien(アンディアン):ファンタオレンジに似た飲み物Orangina+赤いシロップ。オレンジ色なので、「インド人」と名づけられている。
さらには、
●Vittel à la mentheなどのように、水の銘柄を指定することもできます。

私のお気に入りは、Diabolo menthe。そう、つまりミントソーダ。普通のソーダに比べ、ミントの香りがすっときいていて、格別においしいです!

値段は大体、4ユーロ。 こちらに長く住んでいる人でも案外、知らなかったりします。暑い夏、お試しあれ!

補足ですが、裏ドリンクメニューといえば、スターバックス。基本的にミディアムサイズからしかメニューにのせていませんが、スモールサイズがほしければ、「ミディアムより小さいサイズはありませんか?」と言えば、スモールサイズを出してくれます。もちろん、値段も割安。日本とフランスで通用したので、きっと世界共通のはず☆ 上手に夏を乗り切りましょう。

2011年7月15日金曜日

たそがれの散歩道

16区にあるうちの近くには、橋を渡ったところに、セーヌ河に面する公園がある。日曜の午後、教会の仲間と過ごしたあと、あまりにいいお天気なので、久々にひとり、公園へ足をのばしてみた。この界隈は、パリ中心部のような華やかさや喧騒はない。ただ、落ち着いて生活できる空間があるのみ。そんなところが好きで、はやニ年半もここに住んでいる。

夕日を背に、セーヌ川を見下ろしながら、橋を渡る。ぽぽーという汽笛の音があたたかく鳴り響く。建ち並ぶビルの横に、エッフェル塔が相変わらず誇らしげに構えている。河岸では、カップルたちが思い思いにオレンジ色の時間を楽しんでいる。負けじとセーヌの川べりを堪能し、気球のあるその公園に入る。
一本の木の根元に腰をおろすと、ふと、可愛らしいテントウ虫が目についた。草を1本、よじ登っては下り、そのまた次の1本、よじ登っては下り・・・てけてけと休むことなく歩き続け、こちらにズンズン、近づいてくる。慌てて覗きこんでみたら、プチトマトの如くはじけそうな朱色の背中に、黒い水玉がのせられている。丈夫そうな足の感じなんかも、よくできていて可愛いらしい。少し迷って、かれこれ約ニ十年ぶりにテントウ虫くんを手に取ってみる。やっぱり、可愛い。怖がりもせず、てけてけと手の上を歩き続ける。指先までいったら、一瞬迷って、次は指の腹へ。

なぜ、そんなに一生懸命、あてもなく歩き続けるの

テントウ虫くんと戯れながら、自分に与えられた使命とか、今までのこと、これからのことに想いをはせる。自然について書かれた聖書の言葉が思い浮かぶ。

「空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか。
あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすことができますか。なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえなさい。働きもせず、紡ぎもしません。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このような花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださるのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。」

私たちは本当に、なんにも心配しなくていいんだ。ありのままの姿で そのままで―。神様の子どもとして生きればいい。自分に与えられた賜物を探りながら、造られたとおりに、生きる。形を変えようとなんてしたりせず、本来の姿で、ありのままで。
テントウ虫は蝶にはなれない。いや、ならなくたっていい。華やかな美しさはなくたって、その愛らしさが、きっと人々を癒すだろう。違っているからこそ、世界が成り立つ。
たっぷり思い巡らせて、公園を出たら、足元にまだ、テントウ虫くんがくっついていた。どうやら、お友達になったみたい。またね、とお別れして、帰路についた。シンプルだけど、ぜいたくな日曜の夕暮れ。しばらくやめられそうにない。



2011年6月29日水曜日

博士論文の口頭審査に行ってきた

パリで知り合った友人が、5年近くかけた博士論文を先日、ついに書き上げ、口頭試問に招待してくれました。口頭試問とは、心血そそいで書いた論文へ、教授たちから評価を受ける、とっても重要な場。しかも、公開審査です。博士論文を受理された時点で結果は合格しかありませんが、評価には三段階あります。
Honorable, Très honorable, Très honorable avec les félicitations du jury
それぞれ訳すと、「素晴らしい・大変素晴らしい・審査員の御墨つきで、大変、素晴らしい」という感じでしょうか。初めに20分ほど発表をしたあと、4人の教授がそれぞれ感想を述べたり、質問をします。途中、20分の休憩を含め、総計3時間半に及ぶ、長い審査でした。発表や質問等が全て終わり、5分ほど退室。教授たちの話し合いによって決まった結果は、なんと
Très honorable avec les félicitations du jury ! 会場は、拍手と喜びに包まれました。

才媛な上に、大変な努力家の彼女。おまけにしっかりしているので、大して心配もせず見ていたのですが、それにしても、しっかりこの結果を出すとはあっぱれ・・。重要な場に立ち会って完璧なものを見せていただき、心から感動。爽やかで、すがすがしい気持ちになりました。彼女の明るさと謙虚に努力する姿勢は、いつも場を華やかにし、そして不思議と元気を与えてくれます。

その後、近くのカフェへ移動し、pot(カクテルパーティ)に参加。パリに住み、志を同じくする日本人の方々を初め、友人のフランス人や教授たちと歓談して帰ってきました。模範となるものを見て、イメージするって大切。修士論文の口頭審査も一応、公開審査だし、そろそろ先のことを決める時期でもあるので、自分にとって重要なこの時期に、素敵な機会が与えられ、喜び、感謝をささげた一日でした。




2011年6月17日金曜日

幼稚園のお祭り

フランスは今、年度末でイベントが盛りだくさん。来仏当初、お世話になった友人家族が帰国することになり、子どもの幼稚園のお祭りに行ってきました。要は、発表会です。

テーマは「春夏秋冬」。モダンバレエのような作りになっていて、なかなか楽しめました。子供たちの振り付けのかわいさはさることながら、衣装や選曲のセンスの良さなど、全てがうまくまとまっていて、全体的な芸術点の高さに感心しました。先生たちの苦労が目に浮かびます。お面が凝っていたり、冬のシーンでは、雪玉が観客席まで飛んできたり、楽しく工夫が凝らされていました。最後には子供たちがファッションショーのように、ステージを行進して挨拶。保護者も交えて歌を歌って終了。あとは立食形式で軽食をとり、歓談して帰ってきました。うまく伝わるかわかりませんが、以下、写真にてご覧ください。






2011年6月16日木曜日

西フランス La Rochelle

仕事で4日間、西フランスのLa Rochelleという街に行ってきました。ナントよりやや南、大西洋に面する海の街です。通訳のお仕事だったのですが、クライアントに付き添ってあちこちを観光。養殖場を見学したり、水族館に行ったり、砂丘を歩いたり、ヨットに乗ったり、シーフードをたらふく食べて、純粋に楽しく、盛りだくさんな旅行でした。たまにはこんなご褒美がなくっちゃね! 写真をたくさん撮れなかったのがちょっとだけ残念。それにしても、文化の狭間に立つってやはり難しい。通訳はもちろん言葉、そして文化の架け橋となるべく頑張るけれど、互いに理解し合おう、という気持ちは何より大切だな、と思いました。


2011年6月4日土曜日

『ノルウェイの森』 映画批評

村上春樹の『ノルウェイの森』が映画化された。初めに断っておくと、私はこの作家の文章の巧みさには惹きつけられる反面、好みでないし、理解も共感もできない。だけどそろそろ期末試験で、文体論のレポートのテーマとして書きやすかったので、勉強のため観に行ってきた。

村上ファンが多いここフランス。5月4日に映画公開されたばかりというのに、どんどん上映会場と回数が減らされていく。フランスメディアの映画の総合評価も4つ星中2つ平均といまいち。慌ててひとりで観に行った。

そんな前評判もあってか、期待せずに観たけれど、観てみて納得。うーん、残念ながら、映画としては二流以下だ。(ファンの人いたら、ごめんなさい。しろうとの戯言と思って読み流してください。) 日本の風景美は美しいし、60年代の雰囲気も上手に再現されていて、タイムスリップした気分にさせてくれる。でも、映像美がやたらと目につく反面、そこに生きる人々の心情が不自然なまでに、ドロドロと描かれすぎている。

たとえば主人公の病気の彼女・直子役の菊池凛子の演技はあまりにリアルで、まるでサスペンスドラマか、幽霊屋敷に入った時に背筋が冷たくなる類いの薄気味悪さを感じた。彼女は小説の本当の意味での主人公でありながら、若者のもつ可憐さのかけらもないうえに、美しくもない。あんなに力強い精神病患者は実際、見たことがない。自殺シーンも、どうして爽やかに美しく痛々しく見せられなかったのだろう。おどろおどろしいホラー映画のワンシーンのようで、彼女の力強い叫び声、泣き声には青春時代の自分を重ね合わせるどころか、苦笑がしらけへと変わってしまい、途中で何度も席を立ちたくなった。

人間の本質に近いものを見せたかったのだろうけれど、見せられれば見せられるほどに引いてしまう。小説の軽妙なタッチに比べ、全体に意匠が凝らされすぎていて映画として重たい。俳優たちのセリフもどことなく浮いていて、ぎこちない。映像美と登場人物の心情の吐露が、アンバランスで居心地を悪くさせる。

愛とか死とかいう重たいテーマに、どのように透明感をもって魅せられるか、がこの映画化に際して監督の腕の見せどころだったと思うのだけれど、余計な解釈や意気込みが入り込みすぎてしまったのだろうか。バランスをとり、陰影をつけつつ、上手にまとめてほしかった。死や愛についてさらりと描くのが上手な村上なのに、この映画では重たくて目もあてられない。なんだか息苦しくなって、映画館から出て空を見上げたら、その単純な青さにほっとした。

2011年5月6日金曜日

フランスとアフリカの距離

マラケシュのフナ広場
フランスとアフリカの距離は、文字通り近い。良くも、悪くも。

今年に入って、北アフリカの政府が相次いで崩壊したけれど、数日前、北アフリカの移民約60人がフランスにたどり着いたことが報道された。大部分はチュニジア人で、テレビでは田舎から出てきたような比較的、純朴そう(?)な青年達がパリ郊外の公園にたむろしているのが映し出された。手ぶらで文字通り、着の身、着のまま逃げてきた感じ。早速、マグレブ系支援団体が食料の配給を始めていた。そうでないと、集団強盗でもされたら大変だ。フランス政府はさっそく、強制送還の準備に入った。そういえば同じころに香港出身の友人がメトロでアフリカ系の若者集団20人にからまれて金品を奪われたと聞いたけど、関係あるのかないのか。予想していたこととはいえ、テレビで異様な光景を見てちょっとビックリ。

モロッコのマラケシュでは4月28日、アル・カイダ系とみられる爆破事件があった。外国人の中でもフランス人が多数、死亡した。自分も2年前のバカンスでマラケシュに行って、よく見覚えのあるカフェでの出来事なので、ビックリ。そんなに大きくない街の、世界遺産に指定されているフナ広場に面する小綺麗なカフェ。地元の雑踏や独特な料理にいやけがさした観光客が行く。でも記憶が正しければ、私たちは横目に通り過ぎただけで、なぜか入らなかった。

話が戻って、そもそもフランスがリビア政府を崩壊させる役を買って出たのにも、少し面喰った。保守的なフランス人の友人に意見を聞いてみたところ、リビアの政府は独裁的でひどく、国民が苦しんでいるので助けるのは当然だ、とのこと。イスラム諸国は宗教的考え方が異なるし、アメリカのイラク戦争での苦戦もあるのに、市民レベルでそう思ってるのか、なるほど。でも、日本も韓国も、北朝鮮の政府を崩壊させるため、そう簡単に攻撃したりはしないだろう。これはフランスが戦勝国ゆえの考え方なのか、あるいは元々ベースとする考え方の違いなのか・・。

セネガルで開発援助をしている日本人の友人は、先日、家にいながら、押し込み強盗に入られたそうだ。立地が海辺だったこともあり、近隣諸国からの移民が流れて来るのをこんな形で感じざるをえないらしい。とはいえ同じアフリカ内なので、やむを得ない流れだろう。

フランス、いやヨーロッパはアフリカを、兄弟だと思っている。ヨーロッパが兄で、アフリカが弟。奴隷制度などで侵略した過去があるから、旧植民地国については面倒をみる義務がある、と本気で思っている。今や母語も一緒だったり、実際、関わりは深い。

もともとフランスとアフリカの関係に興味があってフランス語を始めたこともあるけれど、なるほどこんな近さなのか、と今、肌で実感している。「対岸の火事の火の粉が飛んでくる距離」というべきかな。これもヨーロッパの多様性の一つ。個人の生活には今のところなんら変化はないけれど、これからどうなるのか、しっかり注目していきたい。

2011年4月29日金曜日

パリで安く泊まれるところ

先日、数年来の友人が日本から訪ねてきれくれました。ホテルのように素敵なユースホステルを教えてもらったので、いくつかご紹介します!

ADVENIAT
シャンゼリゼ通りのブランド街を少し奥まったところにあるユースホステル。広々としていて、とっても静かで清潔。ホステルといっても、ニツ星ホテルのレベルはありそう。この場所でこの値段で泊まれるのはありえない、と思ったら、カトリック団体の運営だそう。私服姿の神父さんやボランティアの方たちが働いていて、雰囲気が良いです。2010年6月にオープンしたばかり。11月中は休館。図書ルームやテラス、共同キッチン、チャペル、もあり、朝食付きで26~33ユーロで泊まれます。インターネットは館内設置のパソコンにお金を入れてアクセスするタイプ。受付で確認すれば、コンサートやフランス人のお家でディナーの案内もしてくれます。英語対応も可。写真はこちら

MIJE
別の友人からのお勧め。上と比べると30ユーロからとやや高めの料金設定ですが、やはり、ユースホステルらしからぬ静けさとのこと。場所は2つあり、いずれも中心地シャトレーChatelêt駅から1駅または2駅。この界隈はお洒落なマレ地区にも近く、若者向けに安く食べられるお店が多いです。ただ、シャトレーでの乗り換えは少し歩くので、シャトレーでタクシーに乗ってしまう方がスムーズでしょう。写真はこちらから。

ちなみに、CDG空港に近いという理由で、パリの北部(北駅や東駅)にある格安ホテルに泊まる方が多いのですが、この辺りは移民街で治安が良くないので、お勧めしません。パリらしい雰囲気を味わうためにも、少しだけ足を伸ばして、ぜひ素敵なところに泊まってください♪ あ、でもそのうち私が引っ越したら、その時はぜひ家へ!!

2011年4月28日木曜日

311震災、フランスでの反応

自分の中で気持ちの整理がついたので、まとめてみる。 3月11日昼すぎ、日本で地震が起きたことを、友人達からの携帯メールで知った。あわててインターネットを立ち上げ、ニュースを検索し、ネットで情報を追う日々が始まった。
フランスでも刻々とニュースが伝えられ、13日の日曜礼拝には、ノートルダム大聖堂で日本のための追悼ミサが行われ、千人を越える人が集った。パリ日本語教会にも、言葉がわからないながらも、フランス人とアフリカ人の礼拝者であふれかえり、ただただ涙する礼拝をささげたそうだ。私の通うインターナショナルチャーチでも祈りをささげ、募金を募った。まもなくチャリティーイベントがパリでいくつも開催され、ある語学学校で行われたイベントには大使館も後援し、入場まで2時間待ちの行列となった。facebookでの友人たちの安否確認と外国人の友人からの安否を問うメールの返信に追われる。

文字通り、たくさんの人が日本に注目し、心を痛めてくれた。今でも311の話になると、目に涙をため、言葉に詰まってしまう外国人がいる。先進国で起こった出来事だし、今はインターネットで簡単に情報が手に入り、映像が見られたりするから余計にショックなのだろうか、人ごととして受け止めている人は知る限り、少ない。

私は阪神大震災の被災者だ。だけど、あの時とは色々、わけが違うなと思う。あの時は、起きてしまった天災のもとで、復興という一つの方向へ向かう流れが見えていた。食料不足に陥ることは少なかったし、津波やガス施設の爆発の危惧もされたが、それらは起きずにすんだ。政府はそれなりに機能していたし、人々は淡々と悲しみを受け止め、普通の生活を取り戻すために準備するしかなかった。今回のような、地震と津波と原発事故とが絡み合う問題は、日本経済全体の打撃だし、自然や原発の怖さについて世界を震撼させ、エネルギー源の流れを変えた。チェルノブイリの痛みがあるドイツは地震後、すぐに原発をいくつか停止させ、原発大国であるフランスではメディアで特集が組まれ、議論された。

個人的には、外国に住んでいるから、自分の国を忘れるかというとそれは逆で、むしろ離れることで、より日本人としてのアイデンティティが強まっていく。普段、愛国心など感じない私でも、今回のように、自分の国が重大な危機に瀕しているということは、身を切られるようで、考えたくもないほど辛かった。元気でいてくれたら、遠くへいても平気。けど、元気でいるはずのものがそうでないと、いても立ってもいられなくなる。遠くにいるから、できることは限られているので、なおさらかもしれない。福島出身の友人は、すぐに仕事を辞めて帰りたがっていた。母国というのは、文字通り、親みたいなものなんだろう。

COOL JAPANという言葉があるけれど、外国から見たら、日本は本当にクールな国だ。これほど小さな島国にもかかわらず、戦後50年で類を見ない経済成長をとげた国。世界はその秘訣を知りたいと思っている。高い文化度をもちあわせ、「日本」という名前自体がブランドとなっている。日本人はどこの国の入国審査でも素通りできるが、たとえば中国や南米・アフリカなどの人は、入国に複雑な手続きやお金が必要だったり、そもそも渡航する経済力がなかったりする。「日本から来た」というだけで、「かっこいい」とか「すごい」とか言われたりする。フランスでは中年以上の世代にとって日本に精通していることはインテリの代名詞だし、マンガやゲームなど、面白いものの宝庫である日本へ、憧憬を抱いている若者も少なくない。これらは全て、日本人の努力の結果だ。

これから日本が向かうところを、世界が見ている。これからの日本について色々、思うところがあるけれど、まずは被災された方々のうちに、どうか癒しと平安がありますよう、ここフランスの地からお祈りしています。

チャリティバザーに溢れる人々


2011年1月25日火曜日

旧き良きもので新年を始める



(遅ればせながら)新年、おめでとうございます! 気がついたら、もう一月も末・・・このままだとあっというまに新しい一年も終わりそう。
さて、わたくしは新年早々、試験で追われている中、素敵な出会いがありました。といっても、人ではなく、物です!^^

実は、地図とか地球儀が昔から大好きな私。気に入る型があれば買いたいと思っていました。そんな年初めのある日、大学近くの老舗の文具屋さんで、素敵な世界地図を見つけました。もちろん、迷わず購入。

帰宅してよく見ると、発行元はロンドンのStanfords社で、地図の中心は大英帝国。1920年の頃の地図を印刷したらしく、時代が時代なだけに、地図中にも帝国時代の様子がしのばれます。東の最端に位置する日本は、Japanese Empireという国名だし、モロッコなどフランスの旧植民地はFrench West Africa、インドネシアはNetherlands East Indiesとなって宗主国別に色分けされていたり・・・。見ればみるほど想像力をかきたてられます。少し黄みがかっていて、折りたたみの跡やシミまでついているなど、コピーといえど時代を感じさせます。なんとラッピングペーパーとして売り出しているようですが、部屋の壁にぴったり。

ニつ目は、フランス外務省で臨時職員をしている中国人の友人ジャオリがくれた黒い手帳。フランスの外交官たちが愛用しているので、これを使ったらツキが来るとのこと。なんだそりゃ^^; ま、ツキがくるかどうかは置いといて、この手帳、確かに良いです。

MOLESKINE社の手帳ですが、丁寧に作られていて質が良いのが分かり、すぐに気に入りました。シンプルで合理的で、どことなく品があります。フランスの手帳には、年間カレンダー表示や日にちごとの表示はあっても、月間カレンダー表示がないのですが、これはばっちり、週カレンダー表示以外、三点ともそろっています。伝統ある手帳らしく、19世紀後半、パリで売られ、ピカソやゴッホ、文豪へミングウェイなどに愛用されていたとのこと。一旦、会社がつぶれ、1997年にミラノの出版社が再生させてから、また世界で広がりつつある様子。日本でも購入できるようなので、人気がでてきているのでしょうか。

年始のバーゲンもいいけど、旧き良きものからスタート。今年は手堅く攻めていこう!

2011年1月21日金曜日

パリに関西人が多いわけ

パリには関西人が多い。 私が関西人だからではなく、行く先々のコミュニティで出会う人たちの関西人率が高いのは、決して偶然ではないだろう。

その理由のひとつは、単純だけど、関西人とフランス人の気質が似ているからだと思う。だから、関西人にとってフランスはわりと居心地がよく、住み着きやすいのだ。

パリジャンも、関西人(特に大阪人)も、人により差はあるけれど、総じておおざっぱでせっかちで、ざっくばらんに話をする。その上、色々なことにだめだしをするところや、物事を型にはめてきちっと進めず、気分に任せて進めがちなところなんかも似ていると思う。銀行員の友人が、全国でも大阪支店のミス率が一番高いと言っていたっけ。一方、パリに住む大阪出身の友人曰く、幼いころに身に付けた「あーいえばこーいう」的なテンポよい切り返しがパリでも随分、役立っている、とのこと。

パリは都会なので、他人に対する警戒心が強く、一見、パリの人は冷たいように見える。でも、その仮面をとると、実はとても気さくで人間くさくて人懐っこい人たちだ。(もちろん精神性が違うし、変わった人もたくさんいる。)迷惑などとは考えず、話をすることで、人と関わってこようとする。そしてその分、結構、他人にも寛容だ。スーツケースを持っていると、駅の階段の前では必ず、誰かが声をかけて運んでくれる。

他にもたとえば電車でマダムが「最近、i-phoneがよく車内で盗まれているから使わない方がいいわよ~。この間も一件、見ちゃって・・・」と注意していたり、道を歩いていると、老若男女問わず、「すみません。タバコの火、持ってます?」と話しかけられて差し出す光景はよくみるし、はたまたスーパーで中学生の子どもたちが「10サンチーム(約10円)、持ってませんか~?」とカツアゲたかってきたり・・・。

フランスに来た当初、この国では日本特有の「迷惑をかけるdéranger」という言葉はどのぐらい効力を発揮するのだろうか、と疑問に思ったことがある。で、この言葉をよく耳にする場所といえばメトロ。物乞いの人が申し開きをするときに使われる。

「皆さまにご迷惑おかけします。私は先日、職を失ったところです。恐れ入りますが、食券か現金を恵んでください。」
こうして堂々と、大声を張り上げて申し開きをし、車内をはしごしてまわることで、中には普通の給料を稼ぐツワモノもいるそうな。

さすがラテンの国、フランス。とにかく、彼らは日本では厚かましいぐらい、人に話しかけて関わることを臆さない。迷惑などと、いちいち気にしてしまう自分が小さくばからしく思えてきたりする。